オーストラリアにおける稲作のローテーションシステム

オーストラリアの稲作農場では、効率性、サステナビリティ、安全性を考え設計された
ユニークなローテーションシステムを農場全体にわたり採用しています。

オーストラリアの稲作農業では、効率性、サステナビリティ、安全性を考え設計されたユニークなロテーションシステム(輪作体系)を農場全体にわたり採用しています。このシステムによって病害虫の発生を抑制し、土壌の劣化を防ぐことができます。オーストラリアの稲作農場の平均規模は約400ヘクタールです。

厳しい環境政策に従って、稲作が行えるのは各農場の3分の1までとなっています。ロテーションシステムの付加的な特質として、動物、水性生物、そしてマメ科牧草や作物による土壌養分の補充など、数多くの利点が挙げられます。

稲作

米の作付けは年に一度だけです。
田植えは9月下旬に始まり、収穫は翌年の3月から5月に行われます。
稲は、水分の補給および大きな寒暖の差から守るために水田で栽培されます。水性環境は、鳥や水生動物にとって素晴らしい生息場所かつ食糧供給源となり、また、雑草の防除にも役立ちます。

穀作

土壌の残余水分を利用して、通常稲作後の刈田に小麦、大麦、オーツ麦などの穀物が播種されます。これらの穀物の収量がオーストラリア国内で最大となることもよくあります。 ローテーションは、土壌状態や特定の農場の管理プログラムに応じて臨機応変に管理されています。穀作期または家畜と牧草期の代わりに、マメ科作物を栽培する農場もあります。

マメ科牧草の家畜放牧

穀物栽培の合間に、刈田や土壌休眠種子から育ったマメ科牧草に羊や牛が放牧されます。 このマメ科牧草が窒素によって自然に土壌を肥やし、家畜がその他の大切な養分を土壌に戻します。 この目立たないクローバーの牧草期が、その後の稲作に不可欠な窒素を多く与えてくれるのです。また、放牧によって雑草の生育も抑制できます。